色々なボラさん②(TNRボラさん)

動物ボラと言っても色々あってそれぞれやれる事をやっているので、やっていない分野のことは無知・無理解な場合も多いものです。

私はご存知の通り猫専ボラですが、猫ボラにもいくつかの役割があります。

だいぶ前に、餌やりボラさんについて書きました。


この中で、今日は、2.の「TNRを行うボラさん」について書きます。

TNRと言うのは、T・トラップ「捕獲して」、N・ニューター「不妊手術して」、R・リリース「元の場所に戻す」ことです。

自分の敷地内で餌付けしている子を手術するのはボラではなく当たり前のこと。
これができない人のフォローをするのが、TNRのボラさんです。
他にも、不特定多数の餌だけやる人の多い公園や、河川敷などで増えた猫達を、それ以上増えないようにするのが、TNRのボラさんです。


☆よくあるTNRボラの始まり

TNRボラは、最初は自分の餌場の子の手術をする事から入る場合が多いようです。
それだけで済まさずに、周りの子達のことも気になってしまって手術を始めたというパターンですね。

そして、多くは、家周囲から少しずつ範囲を広げていってこつこつ行うようになり、気が付くとどっぷり漬かっていたというボラさんが多いはずです。

☆TNRボラの成長

そうして、TNRを続けていると、いくらしてもしても一向に猫が減らないという事実にぶつかります。

・・・なぜか?

手術をしたがらない無責任餌やりや、家庭内で増やしては、生まれた子を外に出している無責任飼い主の存在があるからです。

その存在を知った時、やみくもに捕獲するだけではだめだと気づくはずです。

気づいた後は、地域への働きかけや行政との連携などをしていくようになります。
行政や地域へ働きかけて、啓蒙することにより根本的な解決を目指すのです。

☆理想のTNR

TNRは、そうした根本的な解決を目指すために必要な作業の一つであり、「野良猫問題は猫好きと猫嫌いだけの問題ではなく地域の問題」 という事をボランティア自身も理解しなければなりません。

世間一般の人達に、不妊手術の徹底と餌やりの必要性・ルールを理解してもらうことで、無責任餌やりや無責任飼い主を減らしていく(つまり、不幸な猫の数も減り、殺処分数も苦情も減る)というのが目標です。

地域ぐるみでTNRを行えると、一歩進んだ「地域猫活動」となります。

私が時々やる、餌やりさんに依頼されて出向いて行うTNRは、
単に「捕まえられない子がいるから」という依頼で出向くことも多いですが、依頼者が問題を抱えている場合もあります。

近所からの苦情でいたたまれない思いをしている場合は、間に入ってご近所へTNR活動の説明をしたり、
餌やりのやり方がなってなかったら、掃除や挨拶を指導したり。
依頼者さんが抱えている問題に沿って、できるだけのフォローをします。

TNRの子は、耳カットなどの手術済み目印を付けられてリリースされます。
これは、もちろん手術済みの子を間違えてまた捕まえないための目印でもありますが、周りの人に、活動をアピールするためでもあります。

リリースされた後は、周りの住民に猫の存在を認めてもらい、餌やりさんはできるだけの管理を行う。
そこまでやれてこその「TNR活動」なのです。

私も今はさっぱりだけど、前に住んでいた地域では、町内会長に地域猫についての説明をして町内会で話し合うようにお願いしたり、会合に参加させてもらったり、そういうこともしていました。

殺処分を減らすにはこうした「啓蒙活動」が何より大事だからです。



☆理想通りにはいかない

けれど、それは理想のTNR活動ですね。
現実は、気づいたからといって理想どおりに動けるボラは少ないのです。

・・・なぜか?

野良猫問題というのは、大きな社会問題で、猫愛護事情の大きな足かせになっているのですが、とても複雑でわかりにくい上、一般の人が無理解・無関心なために、いくら説明しても受け入れてもらえない場合が多いからなのです。

受け入れてもらえなければ、下手に活動を知らしめると、かえって非難されたり妨害されたり・・・、

TNRボラは精神的な迫害や金銭的な被害を常に受けることになってしまいます。



☆こっそりTNRボラ

ほとんどのボランティアが、仕事や家事の合間での活動なので、
『理想通りのTNR活動』をやるための余裕のある人は少なく、
時間的にも体力的にも、個人でやるには本当に大変です。

そのうえ変な餌やりと関わったり、無理解な苦情者を説得したりといったことまではとてもできない、と。

そうした人は、面倒なことになるよりも、今まで通り人知れずこつこつと手術していこう…と、大々的なアピールや声掛けもせず、自分だけでリサーチし、少しずつ少しずつTNRを続けていきます。

これを私は「こっそりTNRボラさん」と呼んでいます。


☆こっそりTNRの効果

完璧主義のボラさん(特に初心者でまだ経験が浅く理想に燃えている人)などでは、そうしたこっそりボラさんを非難したりしがちです。
たしかに、地域への告知なしのTNRは根本的な解決にはなりませんが、それでも、とりあえず、【手術した子からはもう不幸な命は生まれない。】という結果は残ります。

その場所の猫の実数が減らなくても、産まれて死ぬ猫の数はかなり減るということです。

こっそりボラさんのこっそりTNRは、大きな理想の前にははなはだ中途半端ではありますが、行政からの後ろ盾もない現状では、個人ボラの負担が大き過ぎるので、私は非難する気持ちにはとてもなれません。

実際、子猫をほとんど見ないという地域は、そういうこっそりボラさん達が人知れず活動しているおかげでもあるのですから、ご苦労を感謝したいくらいです。


☆片っ端TNR

もう一つ、「片っ端TNR」と私が呼んでいるものもあります。
散歩がてらでも猫を捕獲できるように、常に自転車の荷台に捕獲機を乗せて、行き当たりばったりに、出会う猫を片っ端から捕獲するような、そんなタイプの人です。

こっそりと同じ理由で、それなりの意味はあるのですが、上記のようなことを理解したうえで「私にはこれしかできないから」と思ってやっているこっそりTNRとはびみょーに違っています。
この片っ端TNRは、ごくごく初心者のボラさんが何も考えてなくてやっているか、
「これで良いのよ!何が悪いわけ?」と開き直ってやっているかで、
要するに『成長』の過程に至らなかった人です。

中には捕獲が楽しくてやっているような人もいるようです。

片っ端TNRは、ボラとしての意味合いが大きく違ってくるような気がしますし、実際に、他のTNRボラさんの足を引っ張っていて、トラブルになる場合も多くあるようです。
もしこれを読んでハタ!と思った人は、少しやり方を考え直すほうが良いかもしれませんd(^_^;)


☆出張TNR
地元以外の場所のTNRをする場合も多くあります。
ネットや人伝手、或いは行政からの伝手などで、依頼を受け、TNRに出向くことです。
ほとんど、車を持っているボラさんが、大がかりなTNRを行う場合が多いのですが、
私のように、難物(用心深くて捕獲が難しい猫)がいて困っている…などの相談で出張捕獲行くこともあります。

出張捕獲は、餌やりさんからの情報で動くとはいえ、しょせんは単発のTNRですから、2~3回では完全に捕れるわけもなく、必ず捕りこぼしがあるのです。
だから、とりあえずという感じなので、効果はこっそりTNRと同じ程度かもしれませんが、捕獲の際にはご近所への声掛けや、依頼者への指導も行うので、今後のための種を蒔くという意味はあると思います。

ボランティアの出張TNRは、交通費程度はいただく場合も多いですが、基本無料です。
ボランティアではなしに、商売として捕獲費を徴収する捕獲屋もいるそうです。


☆答えの出せないTNR活動

地域への働きかけなどは、地域の人達も実際に困っているほうが、ボランティアの提言をより真剣に聞いてくれます。
人間というのは勝手なもので、自分が困っていない事柄には無関心な人が多いので
苦情のない町の会長は、こちらから「おたくの町は手術をしていない猫が多いですね。今のままではいけません。良いですか?まずこうしてああして…。」などと持ちかけても、話を真剣に聞いてくれないばかりか、変な人に絡まれたくらいに取られ、追い返されてしまいます。

当然、わざわざ会合なんか開いてくれないし、会報で情報を回すことすらなかなかしてくれません。

そうこうしているうちに、子猫が産まれてしまいそうになるので、しびれを切らしたボラが、急ぎ自腹で手術をしてしまいます。
すると、地域のほうは「こちらが頼んだわけではないから」と言って費用は出してくれません。

人と言うのは勝手なもので、自分の懐が痛んだか痛まなかったか、自分が苦労したかしなかったかで、その成果に対する関心が大きく変わります。
なんの苦労もせず、お金すらを出さなかった地域では、その後の「管理(猫が増えたらすぐに気が付きすぐに対応策を打つ。わかりやすく言えばそういうこと。)」を真面目にしませんから、数年もしないうちにまた猫が増えている、という事態になりがちです。

これでは人々の考えもまったく変えられないし、猫の数も減らない、ボランティアのお金と苦労は水の泡、という悲しい結果になってしまいます。

そのため、TNRは地域の住人からの依頼がなくては絶対に行わない、
その間、産まれた子猫がどれだけ死のうと、不衛生な餌場で猫が病死しようと、住民間のトラブルが激化し、矛先が猫に向いて虐待されようと、

依頼が来ないうちは呼びかけも一切しない、一切見て見ぬふり。

という姿勢のTNRボラもいます。

考え方は間違っていないと言うか、正論なのですが、苦しんでいる猫を見て見ぬふり、という点で、多くのボラから非難されがちです。
私なんかもそんな考え方は無理!。。。なのですが、

私達だってすべての猫を救えるはずがないし、手が出せないような話には耳を塞いで聞かなかったことにして気持ちを切り離します。
そういう意味では、同じですよね・・・。

それに、ボランティアのお金、時間、体力、精神的負担、を考えると、私はやっぱり他ボラがどんな考え方でやっていようと、(もちろん、絶対にしてはならない事もありますが)
一概に責めてはいけないと思うのです。

そういうTNRが正しいのかどうなのかの答えは出せませんが、
本当に効果的な理想通りのTNR活動を行うためには、行政のバックアップと一般の方のご協力が必要ということだけはたしかなのです。




色々なボラさん①餌やりボラさんについてはこちら→

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by yukimomoko | 2009-08-16 13:53 | 猫活動・日本の愛護事情  

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