私がマイクロチップの義務化に反対する理由

行政が「殺処分を減らすため」と称してマイクロチップを【義務化】しようとすることには断固反対です。
犬に関してはありかなとも思いますが、猫に関しては全面的に反対です。
【奨励】なら別にかまわないと思うんですが 。。。

行政のマイクロチップ義務化の理由には
1.迷子、盗難などでの発見に繋がる
2.飼い主の責任を追及できる(→無責任な飼い主が減る)
3.遺棄、虐待などの取り締まりに有効

などがありますが、どれも「義務化」にする理由としては薄弱なものばかりです。

①→迷子で警察に収容されても、警察にリーダーはありません。収容施設で読み取れても、一度センターに収容されただけで命に関わる感染症にかかる場合も・・・。また、すべての収容施設で正確にチップを読み取ってくれるかどうかもわかりません。マイクロチップは何種類かあるので、それに合ったリーダーでないと使えないし、すべてのタイプのリーダーを置いてある収容施設は全国でみればほとんどありません。また、正しく読み取るようにリーダーを当てる技術を職員が熟得しているかわかりません。マイクロチップは皮下内で移動することもあります。 迷子になった時に、うちの子はマイクロチップを入れているから安心だと思っても絶対に安心ではありません。また、素人でも取り出そうと思えば、皮膚をえぐって簡単に取り出せます。
つまりマイクロチップは「迷子札」と同じ程度の役割しかしません。

②→無責任な飼い主が、「義務化」になったからと言って素直にマイクロチップを入れるとはとても思えません。責任感のある飼い主なら、マイクロチップが本当に良い物であれば進んで入れるでしょう。
また、特に犬と違って猫は、その習性上、外飼いにされていて飼い主が複数いる場合もあります。また、散歩をさせない猫は、完全室内飼いで飼われている場合、その存在を100パーセント確認することはできません。
飼い猫へのマイクロチップ義務化というのは、現実的とは到底言えないのです。
これはマイクロチップに限らず、「飼い猫の登録制」すべてにあてはまります。
飼い主の責任の自覚を促すためなら、マイクロチップよりも適切な繁殖制限について言及するほうがずっと大事です。

③→①②にも書きましたが、そもそも遺棄や虐待をするような飼い主は、義務化しても入れません。そして、本気で遺棄や虐待をする時は、動物を平気で傷つけマイクロチップなんか簡単に取り出せます。 仮に飼い主に辿り着けたとしても、本人が遺棄したと認めなければ、遺棄したと証明出来る事はほぼ出来ないでしょう。そうなると警察は何もしてくれません。


行政が挙げている推奨理由の1.~3.は、可能性として効果が期待できるという程度なんです。

何度も何度も書いていますが、殺処分を減らすために、という事でマイクロチップ義務化したいと言うなら、その前にしなければいけないことが山のようにあるんです。

まずは、不妊手術の徹底です。
ロサンゼルスのように義務化・・・にして欲しいくらいですが、日本ではまだ難しいでしょうね。
けれど、手術を普及させるための対策を本気でもっと考えて欲しい。
マイクロチップに税金を使うならその分を不妊手術に回すべき。

それから、購入や譲渡の規制。ブリーダーやショップの取り締まり。
「元栓」を締めなければ、いくら水を汲み上げても、バケツは溢れてしまいます。
本当は生体販売禁止にして欲しいけど、日本のペット産業の闇は深くて・・・なかなか難しいと思います。

収容動物のためのセンター環境の改善を!
東京都のセンターはとても良心的で、動物は適温の場所で管理されていますが、全国の施設がそうというわけではありません。極寒や猛暑の中でも温度管理されない場所でじっと耐えている動物達。
中には見かねた職員が自腹でホッカイロや湯たんぽを投入して何とか凌いでいる施設もあります。
感染症の子も弱い子も強い子も同じ部屋に入れられ、病気が蔓延したり喧嘩で怪我をする子もいます。
収容期限も一日でも良いから延ばしてもらいたい。
けれど、そこには予算や人手の問題が・・・。

そして何より、「マイクロチップの義務化」をした時に、未装着の猫はどうするのか?」 という問題。
これは猫ボラの立場からしかわかりにくい事なのかもしれませんが、大変な脅威です。

保健所が、猫は捕獲せず犬を捕獲できるのは、犬は猫と違って狂犬病予防法があるからなんですが、猫が捕獲されないのにはもうひとつ理由があります。

それは、②にも書きましたが、猫の特性上、外にいる猫は飼い主がいるかいないかがわからないから。

マイクロチップ義務化になれば、入っていない猫は「飼い主がいない」とみなされ、保健所が捕獲しても良いことになってしまうかもしれません。
愛護法があるじゃないかという人もいますが、今でさえ、観光地等では「猫が景観を損ねる」という理由で、愛護法無視の駆除が行われることがありますよね。。。
愛護法は、「動物愛護管理法」といって、本当はどちらかというと愛護よりも人間側の管理のために作られているので、本当に動物を守るためにはほとんど役に立ちません。
そして何より怖いのは、一般の人は野良猫の被害をなくすには殺処分するほうが良い、殺処分も致し方ない、と思っている人のほうが多いのですから。

飼い主がいない猫の生存を守る、その取り決めをきちんとしてからでないと、マイクロチップの義務化は絶対にしてはなりません。

私が子供の頃・・・若い人には想像できないかもしれませんが、犬は猫と同じでその辺をうろうろしていました。
飼い犬もだし、野良犬も、たくさんいました。
よく子供が野良犬にかみ殺されたというニュースもあり、学校帰りは犬に遭わないかと怖かったものです。
それが、狂犬病予防法の改定の時に、野良犬は「野犬狩り」で大量に捕獲され、処分されました。
そして、今はきれいさっぱりと「野良犬」がいなくなり、もし犬が一匹でいたらすぐに捕獲されます。それが当たり前の世の中。

もし、マイクロチップの義務化のために野良猫が大量駆除され、抗議や非難がたくさんあって、私達が涙が枯れるくらい泣いても、10年経てばほとんどの人がそのことを忘れるでしょう。
野良猫を捕獲することに抵抗を感じていた人も、感覚が麻痺して当たり前のように思うようになるでしょう。
そして、野良猫の被害は減り、殺処分も減るでしょう。(猫の殺処分のほとんどは生まれたての野良猫の子猫です)
すると、多数の人が「素晴らしい!10年愛護推進計画はうまくいきましたねー♪」と思うのではないでしょうか?

マイクロチップの不備にはあまり触れず、義務化による懸念を解決する提案をしても、それらに耳を塞ぎ、なにかにつけ「マイクロチップマイクロチップ」。
しかも、不妊手術の助成金の条件にマイクロチップの義務化なんていう場合も多々・・・ーー;
マイクロチップ会社の回し者か?(←ジョークになってない)

獣医師と行政、マイクロチップ会社の間の黒い癒着が囁かれることがありますが、こんなでは疑われても仕方ないよ~!と思います。
(別に癒着していようとどこが儲けようと、ちゃんとしてくれさえすれば私はどうでも良いんですが。。。)

「マイクロチップを入れるのは責任ある飼い主の証」と思うのはかまいません。
けれど、「マイクロチップ=素晴らしい!」という考えが先にきてしまって、行政が「殺処分を減らすためにマイクロチップの義務化」と言った時に「素晴らしい!」と思う人が増えてしまっては、反対している私達の声が届かなくなってしまって困ります。


あなたの回りにいる可愛い子達が駆除のために捕獲されるようなことになっても、後悔しませんか?責任が取れますか?

安易に「義務化」を推奨(容認)しようとしている人は、もっと深く考えて欲しいし、慎重になって欲しいのです。

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by yukimomoko | 2009-01-30 18:03 | 猫活動・日本の愛護事情  

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