川に落ちた子のレスキュー顛末1
昨日の日記に書きましたが、川に落ちた子のレスキューについて書きます。。。
力及ばず、猫は助けられませんでした。後悔がたくさんあります。
猫が川に落ちるということはよくある事なので、色んな意味で参考になればと思います。

~~~~~~~~~~~~~~

先週の台風の前のことです。
18日23時に猫友テンジャンさんからメールが入りました。
ツイッターを見ていたら、大田区で川に猫が落ちて、捕獲器を探している人がいる、ゆきももこさんの捕獲器を貸してもらえますか?というメールでした。
本人が車で取りに来ると言うので、いいよ、と答えました。
本人(以後、相談者Aさん)から連絡があり、場所を聞くとわりと近いのです。
捕獲器の使い方は知っているの?と聞くと、案の定知らないという答え。
だったら近いし私も行きますよ、と言って車に同乗しました。

「猫は動けるの?」「川には降りれるの?」「下は平らな場所はあるの?」
というようなことを確認したところ、猫は動けているし、川には降りる場所があり、下は平だとのこと。

私「あ、それなら大丈夫そうですね。でも猫は保護した後どうするの?」
Aさん「実は、猫が無事保護できたら自分の猫にしたいと言っている人がいまして。。。」
私「それは良いけど、その人どんな人?猫飼ったことある?ちゃんと飼ってくれる?どうしてこんな事聞くかと言うと、最近の人は簡単になんでもかんでも保護するって言うのが多くてね、途中で根をあげて放り出したりしたらいやだからね。野良ちゃんを家猫にするのって、けっこう大変ですからね。保護すれば良いってわけではない場合も多いのですよ。」

というような、ゆきももこいつものお説教染みた話をしたのですが、一応猫は飼った事がある人だけど、Aさんもよくは知らない人だと言う。
まあ、その人に会ってみてちゃんと話をすれば良いね、ということになりました。

で、現場に着くと・・・これは大変だな・・・と思いました。
路上から川までの高さは8~10メートルくらいあるでしょうか。
川に下りるには、壁に付けられたはしごだけしかありません。

柵を乗り越えて暗い中はしごを降りるなんてとても無理。
まして捕獲器を持って降りるなんて無理の無理!
Aさんは若くて元気なので「昼も降りたし、降りますよ~」と言って、柵を乗り越えようとしましたが、怖がりの私は「やめて~!猫どころか人が死ぬ~!」と止めました。

猫は、河辺のコンクリの上にいました。橋のすぐ下です。
暗くてよく見えませんが、ライトを当てるとこちらを向いて、目がきらりと光ります。
猫がいるすぐ脇の壁には、直径2メートル以上の排水溝の穴が開いています。

Aさん「実は昼間に私も降りたんですが、おまわりさんも降りてくれて。」
私「おまわりさん来てくれたの。」
Aさん「はい、消防隊も来てくれたんです。」
私「親切なおまわりさんだねえ。でもだめだったでしょう。」
Aさん「はい、消防隊の方も何もできなくて。」
私「そうなんだよね。結局レスキュー隊なんかも来てくれるけど、猫の捕獲なんかは無理なんだよね~。」
Aさん「おまわりさんがタモでもって捕まえようとしてくれたのですが、すごい勢いで逃げられてしまって、あの穴に入ってしまったんです。」
私「穴に入るのはマズイよ。あの穴って、入ったらすぐにまっさかさまみたいな作りになってるのもあるからね。」

実は去年も都心のほうの川にボラ友がお世話していた猫が落ちたのですが、穴に入ってそれきりになってしまったという悲しい事件がありました。

今回の目の前の猫は、昼に穴に入ったけれど今は出てきているので、一応出入り自在な穴のようです。
けれど、穴の中はあちこちから配管が繋がっているだろうし、奥のほうはどうなっているかわかりません。

それに、雨が降ると穴からはどっと水が流れてきて、川もあっという間に増水するらしいのです。
その夜の天気予報では、今夜から朝にかけて大雨が降るという予報でしたが、その時間はまだ雨は降り始めていませんでしたが、朝までの勝負になりそうでした。

とにかく動けているならそんなに怪我はしていないだろうから、とにかく捕獲器を仕掛けるしかないということになり、Aさんにコンビニに走って荷造りのビニール紐を買ってきてもらいました。


その頃には、猫に餌をあげているという年配の女性(以後Bさん)も来て、近所のおじさんも来てくれました。
このBさんが、保護後の猫を飼ってくれると言っている人で、猫は「みーちゃん」と呼ばれていました。

Bさんは、河辺に付いている血のりを教えてくれました。

Bさん「ほら、あそこ!けっこう出てるでしょう~。」
私「ほんと。爪がはげた程度の出血ではないですね。」
Bさん「なんで落ちたのかしら~。投げ落とされたのかしら~。そういうことする人がいるのよね!この辺。」

去年も子猫が川に落とされたという事件があったらしいのですが、みーちゃんはは餌やりしているBさんにも普段は触らせないとのこと。
簡単に人に捕まって落とされるとも思えませんが、悪い人間はどんな手を使うかわからないし、でも猫って賢いような子でもおバカなので、自分で落ちたというのも十分あり得るし、事実はわかりません。
どちらにしても、こんな目に遭った猫は心配だから、保護後は家に入れたいと言うBさん。

捕獲器は、1人がライトで照らし、一人が橋の上から捕獲器の位置を確認し、その指示に沿って2人で捕獲器を降ろすという作業。
実際にやるとけっこう大変です。

それで捕獲器を吊るして川原に下ろすまでに1時間半。
それだけでみんな疲れてしまいました。

捕獲器を降ろしてから、Aさん、Bさんと詰めた話をしました。

「これから上手くいけば2~3時間で捕獲器に入ってくれます。その時の状態次第ではすぐに病院に行かなくてはいけなくなりますけど、良いですね?」
「時間にもよるけど、もし大したことがなさそうだったら普通の時間まで待って病院です。」
「状態がひどければ普通の診察を待っていられないので夜間病院や救急病院です。これは高いですよ。」
「見た目の怪我やなんか大したことなくても、どこか打ってるかもしれないし、蚤は絶対いますから、どちらにしても病院ですね。」

AさんもBさんも、うん、うんと頷きながら聞いてくれました。

Bさんから質問がありました。

Bさん「うまくおうちの子にできるかしら~。そういうの私やったことないんだけど~。」

私「それはやり方は教えますよ。それで何日かやってみて家猫には無理そうならリリースでも仕方ないんじゃないですか?ただし、一度家猫にすると決めたら、絶対に途中で投げ出したり外に戻したりはしないで欲しいんですよね。」

Bさん「もちろんです。そりゃそうですよね!」

この頃はまだみんな希望があり、そんな話をして和やかでした。

でも捕獲器にいつ入るかわからないので、これから徹夜で見張らないといけません。
Bさんとおじさんには帰ってもらって、Aさんと私で残りました。

けれど、1時間もしないうちに私は自分の考えが甘かったと思ってきました。
怪我した猫というのは、なかなか捕獲器には入りません。
みーちゃんは、捕獲器の側にいるのですが、まったく動いた気配がありません。
e0144012_62536.jpg


ライトで照らして、チチチ、と呼べばこちらを向いて目をキラリとさせてくれますが、暗くてどんな様子なのかわかりません。
もちろん、用心深い子やお腹が空いていない猫も、捕獲器には簡単に入りませんが、様子が微妙に違います。
これは、思ったより怪我がひどくて動けないのでは?と思いました。

~19日のミクシィつぶやきより~
2:00 
川に落ちた猫レスキュー中。。。動かない。。。怪我? 捕獲器に入ってくれなきゃ川に降りるしかないか?雨降り出したらもうだめ。。。


台風の進行速度が予報よりも遅れていて、雨はまだ降りません。
けれど、振り出したらアウト・・・。
そう思うと気持ちが焦ってきました。

そこで、夜中で悪いなと思ったけれど、マリアさんにも助太刀を頼みました。
今のままでは道具も人手も足りません。
マリアさんは、深夜でもすぐに来てくれ、状況を聞くと、川に降りてくれることになりました。
もし近づいて逃げないようなら怪我がひどいのだろうから、なんとか捕まえられるかもしれない。

けれど、マリアさんが降りたまでは良かったのですが、そぉっと1メートルまで近づいた時、みーちゃんはさっと逃げてしまいました。

そして、驚いたことに、川を渡って向かい側の岸に行ってしまったのです。
歩き方は少し変でしたが、速さは追いつけないくらいの速さです。

でも、絶対にどこか痛いようで、できるだけ動きたくないといった感じでした。

向側の壁にも排水溝があり、そちらはどんな構造になっているかわかりません。
できればそこには逃げ込んでほしくありません。
雲行きはどんどん怪しくなってきていましたが、仕方ないのでそれ以上刺激しないで、捕獲器だけ近くに置き直して、またじっと待つだけになりました。

ここで私は一度家に帰って、子猫やおむつのカイちゃんの世話。
戻ってから、Aさんとマリアさんと交代で、私が一人残って見張りとなりました。
みーちゃんは変わらず動きなし。

~ミクシイのつぶやきより~
4:00
朝になってしまった  動けないかと思ったけど、近寄ると逃げる  食欲はないみたい  お願い!捕獲器に入って~TT


5時。すっかり明るくなり、みーちゃんの姿がはっきり見えるようになりました。
茶トラで、明らかにオスっぽい大きな子です。
e0144012_6192569.jpg


橋の上から。写真だと全然見えません。はるか向こうにかすかに捕獲器が見えますが、その手前にいます。
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「みーちゃん!」
川の反対側から呼ぶとこちらをガン見しています。
「みーちゃん!良い子だからそこに入ろうよ~。」話しかけてもガン見のまま。
いったん姿を隠して私も川沿いの公園で一休みすることにしました。

色々考えました。
上から斜めに登れる何かを降ろしてあげる・・・いや、ちょっと無理、高すぎるし時間がない・・・いちかばちか上から投網みたいな物を投げる・・・端にいるから難しいだろう・・・両側から挟み撃ちにしてタモか何かで・・・普通の人が何人いても無理だろう、猫ボラが10人くらいいる・・・ダンボールを置く・・・でも入ったあとどうすれば?・・・
どれもうまくいきそうにありません。

その時です。大粒の雨がぼつぼつっと降り出してきました。
それでもみーちゃんは「雨に濡れるのいやだよ~」と、困ったようにキョロキョロするだけで、身体のほうはまったく動きません。じっとして雨に濡れています。
川原は石のタイルが並んでいるのですが、乾いている場所はタイル3枚半分しかありません。
それが、雨が降り出してからどんどん水量が増えて、みるみるタイル1枚分ほどになりました。

今にも鉄砲水が来るのではと、もう気が気ではありません。
捕獲器に入ってくれ~!
お願い~!
と、はらはらして見るしかできないのです。

そうこうしていると、雨が止み、今度はみるみる水量が減ってきて、またタイル3枚半分が出てきました。

それでも私は気が気ではありません。
やっぱりとりあえずタモは要る。川が増水した時に、投網か大きなタモが要る。
でもこんな時間にどこで?
私達が持っているタモは、普通は子猫を捕る用で、あんな大きな猫は入りません。

徹夜明けで働かない頭を働かせて、思いついたのが月光さんでした。
月光さんは、以前は魚釣りが好きで、何メートルもある大きな魚を釣り上げたりしていたと聞いたのを思い出たのです。
月光さんなら適した道具を持っているかもしれない。調達もしてくれるかもしれない。使い方も、私達は素人だけど、月光さんならうまく使いこなせるかもしれない。

朝6時になったばかりでしたが、月光さんはすぐに来ると言ってくれました。
雲行きはどんどん怪しくなっていました。

(続く)


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