パブコメ 遺棄に関する落とし穴

現行の動物の愛護及び管理に関する法律(以下動物愛護管理法とする)では、遺棄について『愛護動物を遺棄した者は、五十万円以下の罰金に処する』(動物愛護管理法 第六章 罰則 第四十四条ー三)とありますが、実際に【遺棄】とみなされるのは、私たち一般の感覚とは程遠いものになっています。
 

例1:他人が餌付けしていた猫が自宅の敷地内に入ってきたので便利屋を雇って捕獲し遠方の霊園に、放す → 【遺棄】ではなく【移動】とみなされます。

例2:多頭崩壊した飼い主から、室内飼いされていた猫を引き取ってきて、遠方の海辺にいきなり放す → 【遺棄】ではなく【移動】とみなされます。

例3:自宅の敷地内に入ってきた飼い主不明の猫を、再三に渡り捕獲し、遠方の山へ連れて行き、放す → 【遺棄】ではなく【移動】とみなされます。

例4:病院の玄関前に、キャリーに入れられた健康な成猫を、連絡先もつけずに置き去りにして、その後連絡なし → 【遺棄】とみなすには検討が必要です。

例5:個人の自宅の玄関前に、どこの誰ともわからない人から「かわいがってください」と手紙付きでダンボールに入れられた健康な成猫を勝手に放置され、その後一切連絡なし → 【遺棄】とみなすには検討が必要です。

例6:ボランティアがTNR・給食活動をしている海辺に、車で乗りつけ、窓から健康な成猫を放り出し走り去る → 【遺棄】とは一概に言えない。【移動】とみなされる場合もある。

例7:繁華街や住宅地で増えた、飼い主不明の猫を捕獲し、「猫寺」として有名なお寺の門前に放す → 【遺棄】と言うより【移動】とみなされます。

例8:自分が餌付けしていた外猫が、他の猫と喧嘩が激しく苦情が来たので、困って他のボランティアが給食活動をしている公園に、前触れもなく連れて行き、放す → 【遺棄】ではなく【移動】とみなされます。


数年前にボラ友が環境省に確認して得た回答ですが、では、【遺棄】に当たるのはどういった場合ですか?と聞くと

「離乳していない子猫などを人のいない場所に放置するなら【遺棄】です。」
「猫が生きていける場所なら【遺棄】ではなく【移動】です。」
「ケースバイケースなので、一概にこういう場合が【遺棄】に当たりますとは言えません。」

ということでした。

また、 去年、ボランティアがTNRした猫が、便利屋によって多磨霊園に捨てられた時も、マリアさんが質問してみたのですが、やはり同じようなお返事しかいただけませんでした。

環境省まとめ「動物愛護管理法違反の判例」

ここを見ると、遺棄としての判例はほとんど犬、
ぽつぽつあるのが、ヤギとかカニクイザルとかアライグマとか鳩とか、やっぱり飼育者による遺棄
猫は一件のみ2ヶ月の子猫の遺棄 これも飼育者による遺棄


今回私も、パブリックコメントへ向けて、環境省へ遺棄と移動について、どのような認識であるか、再確認のために質問してみました。

以下、私からの質問と、環境省は鈴木さまと、小西さまからの回答です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

質問1.個人の敷地内に入った他人の飼い猫を捕らえ、遠くの公園・墓地などへ放置した場合、動物愛護管理法に触れる「遺棄」とみなされますか?

 A- 遺棄という以前に「窃盗」「器物破損」などになるだろう

追加質問 窃盗罪や器物破損罪についてではなく、遺棄罪としてはどうか?

 A- 遺棄罪のみに言及するならば、状況により変わるので一概に遺棄とみなされるとは言えないが、どちらかと言えば【移動】だろう

追加質問 場所が公園や墓地ではなく、山林や海辺、工業地予定の空き地などならどうか?

 A- 場所が変わっても答えは同じである

追加質問 では繁華街や住宅地ではどうか?

 A- 同じである

追加質問 では、動物病院前・他人の玄関前などだとどうか?

 A- 同じである


質問2.では、個人の敷地内に入った飼い主不明の猫の場合はどうか?

 A- 飼い主不明なら【移動】だろう。しかしこれも一概には言えない。

追加質問 やはり場所がどこであろうと同じ認識か?

 A- 同じである。


質問3.では、個人の敷地外の、まったく関係ない場所にいた猫を目障りだからと捕らえ、別の場所に放すのはどうか?

 A-同じである。一概に言えない。

追加質問 それは、飼い猫であろうとボランティアが世話している猫であろうと野良猫であろうと、同じということか?

 A-同じである。

追加質問 やはり場所がどこでも同じなのか?

 A-そうである。どの場合でも状況により変わるので、一概に「これは遺棄だ」とは言えない。

追加質問 それはたとえば、キャリーから出して放した場合と、キャリーに入れたまま放置した場合とで変わるのか?

 A-変わらないだろう。

質問4.現在の環境省での「動物の遺棄」についての定義をできるだけ詳しく教えてください。

 A- 飼育の責任がある者による行いは遺棄とみなされる。それ以外では、その動物が生きていけないような状態(負傷している猫、離乳前の子猫など)で、生きていけない(食餌がない)ような環境の場合は、遺棄とみなされるが、それも状況により変わるので、一概に「こういう事例が遺棄である」と明確には言えない。


※文中の「遠くの」とは、通常の猫が自力で移動できない程度の距離です。

以上。
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
飼い猫や地域猫を、勝手によそへ持っていかれ、放置されるというような、私達の感覚では【遺棄】と思われる事が起きても、警察で「それは【遺棄】ではなく【移動】です。」と片付けられてしまうケースが多発しています。
山や川に捨てても、そこが焼け野原の山だったり、濁流に囲まれた浅瀬だったりしなければ、猫は鳥やネズミや魚でも捕って生きていけるだろう、という認識なのです。
そして、公園や繁華街に放されても、人がたくさんいるから、残飯もあるから、生きていけるだろう、という認識なのです。

さらに、病院前や個人の玄関前なら、確実に拾って世話してもらえるから生きていける、という認識なのです。

けれど、これは間違っていて、猫の特性を考えると、どんなに外でたくましく生きていた野良猫だとしても、いきなり捕らえられ知らない場所に放されたら、パニックを起こして右往左往して事故に遭ったり、恐怖で隠れて身動きできずに衰弱したり、餌の確保ができるまでに命を落とす可能性が高いのです。

まして、飼い猫や餌付けされていた地域猫となると、もっと可哀相なことになる可能性があります。

それに、自分が迷惑だから、不快だから、という理由でよその場所に【移動】するのは、他人に迷惑でも不快でも関係ないという身勝手で恥ずべき行為です。

もし、朝起きて新聞を取りに行ったら、箱に入った猫が置かれていたらなんて言いますか?
「わー!猫捨てられた!」と、誰もが言うでしょう。
そして、捨てた側も「他人の家の前に猫を捨ててきた」という自覚があるはずです。

自宅前でなくても、公園で見かけない猫がいきなり現れてオドオドそわそわしていたら、公園をいつも利用している人は思うはずです。
「あ、また猫が捨てられたのかな?」と。
そして、捨てた側も「公園に捨ててきた」という自覚があるはずです。

外で餌付けされていた猫を便利屋に遠くに捨てられた人は言うはずです。
「便利屋に捕まって遠くに捨てられちゃったの!」
そして、便利屋に依頼した人は「どこか戻ってこない遠くに捨ててきて!」と頼んだはずです。
便利屋も「奥さん、言われた通り遠くに捨ててきましたよ。」と言うはずです。

それを、【移動】などという言葉で片付けて良いはずがありません。

個人宅の前は当然ですが、公園であろうと繁華街であろうと、全国が飼い主のいない猫と、それに絡んだトラブルを、どうにか減らしたいと思っているのですから、捨てられた場所の人たちにとっては、絶対に許せない行為であり、猫の命を脅かし精神的な苦痛も与えるのですから、動物愛護管理法で【遺棄】として処罰すべきです。

けれど、ほとんどが【遺棄】ではなく【移動】なんだそうです。

これでは、事実上の【遺棄犯】がその行いを処罰されることはほとんどありませんよね!


遺棄についての定義の見直しと、明記をすることを、どうか意見として出してください!

以下、ゆきももこの意見

ーーーーーーーーーーーーーー
【該当箇所】1p 1.虐待の防止 または、その他

[意見]
愛護動物が、その生息していた場所から、飼育者・管理者でない者により、別の場所に移動され放置される場合も、遺棄として処罰対象にすべき。ただし、その生息場所が、命の危険がある場合や、移動場所の管理者・所有者の同意を得ている場合は、これの限りではない。

[理由]
動物は餌が豊富な場所に放しても生きていけると考えるのは間違いであり、特に猫の特性を考えると、どんなに外でたくましく生きていた野良猫だとしても、いきなり捕らえられ知らない場所に放されたら、パニックを起こして右往左往して事故に遭ったり、恐怖で隠れて身動きできずに衰弱したり、その場所のテリトリーに入れなかったりで、餌の確保ができるまでに命を落とす可能性が高い。
まして、飼い猫や餌付けされていた地域猫となると、もっと悲惨な状況になり得る可能性が高いのは明白である。 現に、多頭崩壊した飼い主に「自分の餌場で引き取ってあげる」と持ちかけた男から引き取られ、男の餌場にいきなり放された室内飼いだった猫は、ボランティアがすぐに保護を試みたにも関わらず20匹余りのうち数匹はそのまま生存不明になってしまった例があるし、ボランティアによりTNRされ、餌やりが外で給食していた猫は、業者に捕らえられ遠方の霊園にいきなり放された後、必死の捜索にも関わらず生存不明の状況になっているという例もある。
よって、動物を守るため以外の理由で、その生息していた場所から、みだりに移動するべきではないのである。
また、個人の玄関前であろうと、病院前であろうと、置き去りにされた動物は生死の危険に晒される状況に置かれることには変わりなく、置かれた側の個人や病院が、どれだけの精神的負担や経済的負担を負わされるかを考えると、それがたとえ飼育者による飼育放棄の動物ではなくても、行った者は遺棄罪として処罰すべき。
放置の場所が、たとえ公園や海辺であっても、繁華街や住宅地であっても、全国が飼い主のいない猫と、それに絡んだトラブルを、どうにか減らしたいと日々頭を悩ませている中、捨てられた場所の人たちにとっては、絶対に許せない行為であり、猫の命を脅かし精神的な苦痛も与えるものであるので、動物愛護管理法で【遺棄】として処罰すべき。
ここでは、猫に限定した言い方をしたが、ウサギ、フェレットなども【移動】されて生命の危険に晒されることや、他人への迷惑となるのは同じであるので、愛護動物全般について当てはめるべきである。


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by yukimomoko | 2011-11-18 14:37 | 猫活動・日本の愛護事情  

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