ゆきももこの猫夢日記

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人だけでなく自分までも騙そうとする人

2007年01月19日22:58

猫の里親探しは難しいです。
よく「里親詐欺っていうのがあるんてすって? 知らない人に渡すなんて怖くて疑心暗鬼になりませんか?」と言われる事がありますが、私はいつもこう答えるのです。
「いえいえ、詐欺ならどこか怪しかったりで違和感を感じると思いますよ。本当に怖いのは、自覚なく無責任な飼育をする人なんですよ。」と。

自分は猫が好きだ、可哀想な猫を助けたい、猫を我が子同然に愛せる、何があっても猫を一生大切にする…
と、自信満々だった人が、ちょっと思い通りにいかないだけであっという間に愛情が冷めたり、自信を失ってイッパイイッパイになって、簡単に飼育放棄する。。

そういう人達を実際にたくさん見てきました。
そういう人達は、挫折する自分を認めたくなくて、相談する相手がいても平気を装ったり、事が発覚してもしらばっくれたりする事が多いようです。



ここで、最近身近で起きた2つの事件について書きます。
ひとつは飼育放棄を認めない里親の話。
もうひとつは近況報告をごまかし里子を遺棄した里親の話です。


1つ目の話はミクシイの動物愛護系コミュに立ったトピから始まりました。
とても人懐こい猫を保護したけれど、エイズキャリアなのでなかなか里親が決まりません…という内容のトピです。
トピではたくさんの応援コメントが書かれ、少しして2匹の先住猫がいる人が里親に立候補しました。

里親は、愛護への関心が高いことをアピール、「すべての猫ちゃんラブ」というような人で、元親はこんな良いご縁はないと思ったのだそうです。

それから一年弱。元親と里親の関係は友人付き合いで良好でした。

ところが、去年の秋頃から里親の都合で、その子は病院に預けられました。
そして、3ヶ月以上過ぎた今も、そのまま病院に預けられたままなのです。

それだけでも元親にとっては穏やかではないと思います。3ヶ月も預けなくてはいけない事情って何? これから先も本当に大丈夫なの?
里子の幸せを本当に願っている元親なら、当然そう思うでしょう。

ところが、それだけでなく、さらに驚く事実がわかったのです。
預けた日から3ヶ月、里親は一度も病院に面会に来ず、℡すらしていなかったのです。

え?大事な子を病院に預けっぱなしで様子も聞かないなんて、心配じゃないの?愛していないの?

しかも里親は、支払いも滞納していました。一度も支払いをせず面会にも来ず、病院からの留守電にも全く答えず、預けた時からそれっきりだったのです。

困った病院から元親に相談が来て、次々わかった里親の非常識な行為。

これはもう、事実上の飼育放棄・・・。

元親はとてもショックを受けました。
しかし、まだ里親を信じたいという気持ちも捨てきれません。
元親は、強く言いたいところを抑えて「お見舞いくらい行ってあげて」と里親に頼みました。

けれど里親は、「猫の所有権は自分にある、猫を入院させ面会や℡をどれくらいするかは自分の自由だ。過干渉するな。」と言って、元親をなじりました。

元親はそれでも怒らず、飼育できないなら他に里親を探すから、と…最大限の気配りをしつつ提案しましたが、それを受け入れると飼育放棄を認めることになるので、里親はがんとして受け付けないのです。

明確な理由もなく病院に預けたまま放置し、入院費も払おうとしない里親には、もうその子を引き取る意思がないのは明らかです。

たとえ引き取っても、愛情を持って育ててくれるか、元親はもう信じることはできません。
自分の飼育放棄を認めたくないがために、引き取ったふりをして捨ててしまわないとも限りません。

この元親さんは、いわゆる【一般の人】で、ボランティアではなかったため、譲渡契約書を書いていなかったので猫を奪い返すのはとても難しかったのですが、

病院とボランティアの協力で、何とかこの猫の身柄確保は無事にできそうです。

ミクシイのトピで可哀想な猫の里親として名乗り出て、本人も良いことをしたと思っていたのでしょう。周りからも「ありがとうございます!」「優しい人にもらわれて良かった!」と持ち上げられ、引き取った猫との幸せ日記を書いて、マイミク達からも喜ばれていた手前、「もう飼育出来ません」と認めたくなかったのでしょうか。
元親が里親募集を再開したら、自分の飼育放棄がトピで応援してくれた人達に知られてしまうと恥じたのでしょうか。

人の心とは本当に弱いものです。
けれど振り回される猫のことを思うと、怒りを覚えずにはいられません。。




もうひとつの話も酷いのです。
これは、私が去年里子に出した「もわ太」のことを載せた里親サイトを見ていて気がつきました。
もわ太と並んで「里親決定」の報告がされているギニー君と言う子。。。
なんと、今、則( )さんの所にいるラムちゃん本猫ではないですか!
http://www.nyanpararin.com/satooya/kettei/2005.html (すみません、リンク切れてます)

ラムちゃんは05年秋に大田区でボランティアに保護され、則( )さんのお家の子になりました。
餌場近くにいきなり現れた長毛の猫を見て、迷子か捨て猫か?とボラさんにすぐに保護されたラムちゃん。
外では草の中で丸くなって怯え、保護された時はかなり汚れて毛玉の中にごみがたくさん取り込まれていたそうです。

里親決定報告に載っている「ギニー君」はそれより4ヶ月ほど前に里親決定している事になっていました。

調べてみると、やはりサイトでの報告どおり、7月に大田区の里親さんに引き取られていました。
元親さんに連絡すると、たしかに保護現場近くの人に里子に出した自分の保護猫だと言い、大変なショックを受けていました。

「ギニー君」の元親さんは契約書は書いていたものの、近況報告は4ヶ月までしかしていなかったのだそうです。
最後の報告は夜鳴きの相談で、元親さんが夜鳴き対策のアドバイスをした後、「解決しました。」という報告が最後でした。

元親さんは、里親を信じていましたので、報告を聞いてすっかり安心していたのです。

時期を計算すると、ラムちゃん(ギニー君)は、その頃に遺棄されたと思って良いと思います。

この里親さんも自称「野良ちゃんラブ」「猫の気持ちを尊重して気長に見守りたい」という人だったそうで、ギニー君は怖がりで人馴れしていないという説明を聞いて
「お任せください!気長に見守ります!」と、引き取ってくれたのだそうです。

里親の思うように懐かず、その上夜鳴きも始まって、イッパイイッパイになったのでしょうか。

「お任せ下さい!」と自信満々で言った手前、根をあげることを責められるとでも思ったのでしょうか?
自分がそんなに根性がないなんて、自分で認めたくなかったのでしょうか?
4ヶ月も一緒に暮らして遺棄するなんて、いくらイッパイイッパイになったからと言ってもギニー君への愛あはなかったのでしょうか。。。

元親が問いただすと、その元・里親はあっさりと遺棄した事を認めましたが、「保護されて良かったです。ギニー君にごめんねとお伝えください…。」と元親にメールしてきたそうです。

可哀想なギニー君。元も捨てられていた所を保護されたそうなので、2度も愛してもらえず棄てられたという事になります。

棄てられた時、どんなに怖かったでしょう。驚いたでしょう。


私自身も、初期の頃の里親で、悩み相談などもして友人付き合いしていた人から遺棄されていたことがありました。

彼女の近況報告は写真なしで言葉だけ。
遺棄が発覚した時に、残った猫は奪い返しました。
その時、「どうして相談してくれなかったの?」と問い詰めると、彼女の答えは「そんなの・・・言えないよ・・・。」と。

ああ、人の心とはなんと弱く身勝手で情けないのか。。。結局この人も、相談相手がいちにも関わらず、自分が悪く思われたくないがため、自分擁護のために猫の命を軽視したのです。



飼育放棄はいつどんな事情ができるか、誰にも予想ができないので、仕方ないと思います。
そう、たとえ私達から見てあり得ないような事情でも、本人の精神がいっぱいになってしまったら仕方ないのです。

弱い里親さんに当たった時、元親は感情的になって責めてしまいがちですが、根をあげた里親さんへ寛大な気持ちで接することも大事なのだと思います。
里親さんがいっぱいいっぱいになった時に正直に打ち明けられるよう、里親さんへのフォローは気をつけないと、かえって猫が辛い目にあいかねません。

けれど、「何か困ったらどんなことでも相談して」と言ってくれる相手がいたにも関わらず、相談することを恥と思い、嘘をつき、遺棄という罪を犯すことを選んでしまう心理。
しかも、自分が挫折したことや嘘をついたことを自分でも認めない人もいるのです。

そんな腹立たしい人達も、里親になろうとした時はそんな事をするつもりはなかったはずなのです。
自分は立派な里親になれるつもりでいたはずなのです。

だから、里親探しは本当に難しいのです。
だから、後々までの近況報告は絶対に必要だとおもうのです。



妙な縁で同じ家族になった「旧ギニー君」(今ラムちゃん)と、私の保護猫だった「旧もわ太」(今ユメ吉)。
今は幸せにしています。
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by yukimomoko | 2007-01-19 22:58 | 猫活動・日本の愛護事情