ゆきももこの猫夢日記

なーちゃん脱走事件

月曜の夜から被災猫がうちに来ています。
と言っても、福島で保護され東京に来たのは、震災から2か月頃の事。
あの、一気に何十匹も来て、ワケわからなくならないように1匹1匹に番号入りの首輪をして、普段の保護猫のように仮名をつけてあげるのではなく、ナンバーで呼んでいたあの子達のうちの一匹、被災№c67、里親さんには【な~ちゃん】と呼ばれていた子です。

里親さん宅で幸せになっていたと思っていた、そのな~ちゃんの脱走騒ぎが先週あったのです。

脱走は、絶対に気を付けてくださいと、どの里親さんにもしつこいくらいにお願いしているのですが、年に1~2匹の脱走がどうしてもあります。

脱走しても、馴れている子、馴れた場所からの脱走で、緊迫した状況でない脱走、脱走してすぐに「適切な」対策をしていれば、そのまま行方不明というのはまずありません。

けれど、場所にも人にも馴れていない場合や、何かに驚いたりといった猫にとって緊迫した状況での脱走、脱走後に追いかけられたり嵐になったりといった、猫にとって怖い状況になった場合、
脱走してすぐに気が付かなくて探すのが遅れた場合、

そんな時は捜索が難航し、下手したら最悪の結果にもなりえます。

今も行方不明の№31アトムも、マンションのベランダから転落という怖い状況でそのまま行方不明、里親さんが保護主(ねこひと会)にすぐに報せず、素人判断で動いたこと、など
人懐こいアトムが未だに見つからないことに大きく影響したというのは否めません。

な~ちゃんも、私が脱走を知ったのは、脱走から数日経ってからでした。
しかも、直接報せてもらったのではなく、ネットでの呼びかけを見てだったのです。

驚愕して里親さんに連絡をすると、さらに驚くことが次々とわかりました。

な~ちゃんが逃げた場所は、里親さんの家からではなかったのです。
里親さんは、保護主に相談も報告もなく、な~ちゃんを保護主の知らない人に預けていたのです。

これはアトムと同じ状況で、完全に契約違反。。。

【けれどそれは取りあえず置いておいて】

とにかくな~ちゃんを無事に保護しなければ!
その預けたお宅には馴れていたのですか?懐いてましたか?いつ預けたのです?

すると、なんと預けたその夜に脱走したと・・・。
あー!最悪・・・!

あとで分かったのですが、初めてのお家にケージもなしに、いきなり部屋に放したらしいのです。
しかも、預かりさんのお家の猫達は出入り自由。
外に出ないよう完全に見張ることは難しいと尻込みする預かりさんに、半ば強引に
預けたらしいのです。

その夜、案の定と言うか、当然の結果と言うか、で脱走。

救いは、な~ちゃんの性格でした。
な~ちゃんもアトムと同じく人が大好きな子で、しかも大らかな性格です。
脱走したと言っても預かりさんの目の前でオモチャにじゃれたり、草の上でまったりしたりと、翌日までは周囲をうろうろしていたらしいのです。

けれど、その預かった人の連絡で駆け付けた里親さんが、な~ちゃんをいきなり羽交い絞めで捕まえようとしたため、な~ちゃんは驚いて遁走。

それっきり目撃情報が一切なくなりました。

私が脱走を知ってから、里親さんに色々と確認すると、まだチラシ貼りもポスティングもしていませんでした。
捕獲器は、預かりさんが手配して、地元ボラさんから借りて下さってましたが、1台のみ。
預かりさんはもちろん、里親さんも捕獲器の扱いにはまったく素人ですし、第一、もうどこにいるのか皆目わからない今の状況では、捕獲器なんかほとんど役に立ちません。

悪いことに、福島の被災猫というのは、アトムもそうですが、もとは広々とした敷地で外飼いか出入り自由だったからか、
都会で室内飼いされている、普通の飼い猫の脱走のように、敷地内で固まっているなんてせず、
どんどんどんどん遠くに行く傾向があるようなのです。

な~ちゃんも、里親さんが甘く見て素手でいきなり羽交い絞めという暴挙に出たため、怖いよ~!と遠くに逃げたかもしれません。
そうなると、本当にもう、砂浜で針を探すような途方もない事態になってしまいます。

もしも自分の飼い猫が脱走し、現場周囲に姿が見えなくをなったら、チラシを作って情報を求めるのが有効です。
迷子探しにはまず声を出しての捜索、置き餌、ご近所への声掛け、次がチラシなのです。

そのチラシが、まだ出来ていなかったので、里親さんに急ぎ作ってもらい、人手を集めてチラシ貼りとポスティングをしました。

迷子捜索のチラシにはいくつかポイントがあります。

まず、当然ですが、迷子になった飼い猫を探しているとはっきりわかるもの。
迷子のチラシは、丁寧語であろうとなかろうと、必死で探している気持ちが伝われば良いのです。
そしてこれもまた当然ですが、猫の色柄やシッポなど特徴がわかること。

あととても大切なのが、逃げた場所と日時
ここが事実と少しでも違うと、せっかく目撃した人がいても「もっと前からいたから違うわね」と思われたりして通報に繋がらないかもしれません。

もう一つ、見かけた人は絶対に捕まえようとしないでと注意書きを一言添えてください。
失敗して逃げられて、またどこに行ったかわからなくなっては元も子もありません。


そして、できるだけたくさん貼ること。
範囲は、最初から広範囲でなくても良いですが、駅周囲や商店街など、人が多く通る場所には貼ること。
枚数は、10枚単位ではなく100枚単位です。

里親さんに私は、「できるだけたくさん」としか伝えなかったので、里親さんが用意してきたのはほんの50枚くらいでした。

もちろん全然足りませんからコンビニで急きょ大量コピー。
(コンビニのカラーコピーは雨に濡れても滲みません)
そのため、貴重な捜索時間のうち1時間を、チラシ追加準備で費やしてしまいました。

金木犀の香りでいっぱいの小雨の中を、数時間連日3日のチラシ貼りとポスティング。

お手伝いに地元のボラさんも来てくださいました。


チラシ貼りとポスティングは、大変な作業で時間も人手もかかるのです。
けれど、効果は大きく、ほとんど2日もすると何らかの情報が入ります。

ただし、それは前述したように、猫が人馴れしていてかつ、あまり移動していない場合です。

チラシ貼りの作業日には、な~ちゃん完全失踪から丸1週間経っていました。
正直、もしかしたらアトムのように長期戦になるかも…と思いました。
目撃はないけれど、猫の多いスポットに一晩徹夜で捕獲器を多数設置してみようかとも悩みました。

けれど、本当に幸運なことに、チラシ貼りから2日して目撃情報が入り、そしてさらに幸運なことに、目撃情報を受けてから里親さんが現場に駆け付けるまで、な~ちゃんが動かずそこにいてくれたのです。

預かりさん撮影・発見時のな~ちゃん
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あとは捕獲器を仕掛けるだけでした。

脱走9日目の夜23時過ぎ、みんなの見守る中、な~ちゃん無事保護。
みんな、疲れ果てた顔が喜びで、泣き笑いになりました。



保護されたな~ちゃんは、捕獲器のまま私の家に運びました。
里親さんにはあの震災の直後の本当に一番大変だった時に、本当に恩をいただいたのですが、残念ながら今回の契約違反は見過ごせないので
はい、またお願いしますと返すわけにはいかないのです。

もちろん、里親さんも大変に反省して下さっていますし、
もともとあった信頼関係が完全に破綻、とまではいきません。
とりあえずうちに連れて帰り、あとはまた落ち着いたら話し合うことになりました。


な~ちゃんとふたりで深夜のドライブ~♪

と、保護できた喜びだけではなく、な~ちゃんが怪我や衰弱で捕獲機の中で急変していたらどうしようと、心配で気が気ではありません。
信号停止中などに何度も捕獲機を覗いてしまいました。

私の心配をよそに、な~ちゃんたら捕獲機に仕込んだ餌の残りをガツ喰いしてました(笑)
よほどお腹が空いていたのか(哀)

次に見ると捕獲機の中でまったり箱座り(笑)

撫でると顔を押し付けてきて甘えてくれました♡

そんなにお腹空いてたなら、甘えたかったなら、呼ばれたらすぐ出てくれば良かったのに!まったくもう~!

でも、それが猫という生き物なんです。
こんな子でも、外にいると隠れて出てこなかったり、飼い主を見ると怯えて逃げたりするのです。


きっと怖くて不安な思いをしたんだね。
戻ってきてくれてありがとう、な~ちゃん。


ようやくうちに着いたら、またケージに入れられ、まだ災難続きのな~ちゃん。
ケージから出せ出せ鳴きで二晩絶叫でした。
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少し脱水気味で、下痢もしてますが、怪我はなく、食欲・元気あります。

ただ、爪がだいぶ出血してるのは、捕獲器でもケージでも暴れていないので、放浪中に負ったのでしょう。

数日間、いったいどこでどんな風に過ごしたのか、な~ちゃんに訊きたいものです。


という、わけで一応な~ちゃん事件は終了。
あ、現場ではチラシを剥がして回るという大仕事が残っていましたが、それは里親さん達にお任せしました。

チラシは、見て心配していた人に安心してもらえるように、「見つかりました」と上書きしたまま数日してから回収してもらいました。


長くなったついでに余談ですが、預かった人の息子さんが、捜索にボランティアが集まったり捕獲器を集めたりしているのを見て「猫をそんなに必死で探すなんて馬鹿げている!猫は外でも生きていける!」と非難してひと悶着、という事件もありました^^;

好きで預かったわけではないのに、夜昼休めずに捜索を強いられてやつれている母親が不憫だ!というのです。

そう、迷子捜索は3日もしたらヘロヘロになるのです。
1週間も続けば本当に倒れそうになってしまいます。

逃がした人に責任がある!なんて今回の場合は思いませんが、な~ちゃんは東京でのたれ死にさせるために福島から連れてこられたのではありませんから、私達は探す義務があるのです。
そして、逃げた現場の人に一番がんばってもらわないと、迷子は保護できないのです。

訳もわからず預けられた人には、本当にまったくお気の毒だったのですが、けっこうヤバい状況での脱走だったな~ちゃんが、無事に保護できたのは、預かった人(逃がした人)が必死でがんばってくださったおかげなのでした。


猫が脱走すると、「あの子は家が嫌いなのではないか」とか「私が呼んだのに逃げて行った。私が嫌いなのか。」という風に後ろ向きになったり、
この息子さんのように、「猫は外で暮らすほうが自由で良いのだ」と思い込んで探そうとしなかったりする人が割と多いのですが、
それは外の猫達の生きざま(死にざま)を知らない人達の、無知からくる解釈なのです。

家で甘えることを覚えた飼い猫というのは、自分で出て行ったくせに、本当は帰りたくてたまらないのです。
猫が「俺は自由さ!いつでも好きな時に無傷で帰れるのさ♪」と思っているかどうかはわかりませんが
「怪我をするかもしれない、死ぬかもしれない、二度とお家に帰れないかもしれない。この人達に会えなくなるかもしれない。」と思っていないことだけは確かなのです。

まして、「それでも良いから自由に暮らしたいんだ!」なんて、猫は絶対に思っていません。
猫はいつでも、大好きな人の側で安心して寝たいし、お腹いっぱい食べたいのです

もう一つ、大切なことがあります。
それは、逃げた自分の飼い猫をそのままにするというのは、猫が嫌いな人や、地域の猫の世話をしている人からすれば、大変な迷惑行為ということです。

脱走した猫を探すのは、飼い主の愛であり義務である、ということを、猫と暮らしている人、いつか猫と暮らす人も、どうかどうか忘れないでください

最後になりましたが、預かりさんを励まし、捕獲機の手配などして下さったポロン亭のようこさん、いきなりのお願いに一つ返事で来て下さった高円寺にゃんだらーずさん、預かりさんを支えつつ一緒に深夜まで捜索して下さったカエルさん、わざわざ三鷹から駆け付けて来て下さったしゅんさん、お忙しいのに本当にありがとうございました!



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