ゆきももこの猫夢日記

嘘、隠し事をして猫を譲受するということ(長文ですがどうか全部読んでください。)

保護猫を里子に出してから、こちらの希望で返してもらう事があります。
私も、一昨年一度ありました。
里親さんは事前に聞いていた話と違い、病気が重くとても普通の生活ができていませんでした。
夫がフォローするという話でしたが、夫の仕事中、ほとんど寝たきりの奥さんには小さな子猫達の世話はとても無理でした。
また、飼育経験にも嘘があり、ほんの数ヶ月前に子猫を飼育放棄していたことがあとでわかりました。

返してと言われて里親さんは嫌がりました。
「どうしてもだめですか?この子がいないと生きていけない」
電話の向こうで泣かれましたがでも私は引き下がりませんでした。

本当は里親さん夫婦はとても良い方達だったのだと思いますよ。
私も一度は決めた方達ですから・・・。
里親さん夫婦は泣きながら子猫達を戻しに来てくれました。
飼育放棄した子猫がいたことに私は触れませんでしたので私が知ってしまったことには気が付いていませんでした。
触れなかったのは、見抜けなかった自分にも落ち度があると思ったからです。
自分のふがいなさが里親さんを傷つけたし猫に辛い思いをさせたと思ったからです。
その場でも泣かれ罵られ私は土下座してお見舞い金を渡して子猫を無事に取り戻しました。
でももしこの夫婦が逆切れしていたら私は言ったでしょう。
【嘘や隠し事をされなかったらあなたに渡しはしなかった。】と。

たった3日で2匹は劇痩せしておりその後もひどい下痢で入院しました。
まだ一ヶ月齢くらいでしたので、一日遅れていたら手遅れになっていたかもしれない。
取り返してよかった。
今でもそう思います。
この子猫達はその後里親さんが見つかりました。

知り合いのボラさんでも、つい最近同じようなことがありました。
返してと言われ、紹介した人は激怒し、繰り返し言いました。
「あの人はとても優秀な方です!」
里親さんは泣き叫んで、周りも元親ボラを責め立てました。
でも元親さんはいくら泣かれても責められても取り返さないといけないけなかったのです。
あの里親さんの元では小さい子猫はやはり死んでいたかもしれません。
優秀なだけでは儚い命を無事に育てることはできません。
この元親さんも取り戻しに際して相手にお金を包んでいます。

こういったトラブルの時、猫ボラ様はそんなに偉いのかという悪態をつかれることもしばしばあります。
もちろん、こちらにも不備があったから間違った譲渡(仮でも)をしてしまった責任と罪はあります。

でも聞かされていた事が事実と違い。それが猫の命に関わるかもしれないと感じた時は、どんなに相手に泣かれようと激昂されようと、猫は取り戻させていただきます。
その時に人間へ同情していたら取り返しのつかないことになってしまいます。
取り戻すのは命に関わるかもと判断した場合がほとんどです。

猫の命と人の心。
単に欲しかった猫がもらえない、猫が欲しくてたまらないのに断られる失望感、やっともらえたと喜んで世話していた子をまた奪われるショック、そういった類の「人の心の傷」と、失ったら取り戻せない「法で十分に守られていない小さな命」とを比べたら、私はどう言われようと猫の命が優先ですし、またその考えが間違っているとも思いません。

けれど、取り返せた場合は幸運です。
誓約書があっても取り戻せない場合もあります。
また、取り戻しても手遅れになる場合もあります。

ねこひと会のメンバー、タナさんのブログをご覧ください。
タナさんが、「幸せになるんだよ。里親さん、どうかよろしくお願いします。」と託したリクとコタは亡くなりました。

私は強く言いたい。
猫に限らず動物を育てるのはただ「好き」「欲しい」だけではだめなんだと。
それを自覚してもらうためにも里親募集は色々な質問をさせてもらい適切な飼育ができる人か、またその猫がそのおうちに合っているかどうかを判断させていただくのは【絶対に必要】だと。

私達が里親さん候補に色々と質問するのは、猫も人も幸せになれるかどうかを判断するためです。
興味本位でも個人情報集めでもありません。
こんな事まで聞くの?と思われるかもしれませんが、最小限の確認をさせていただきます。

もちろん、メールだけでなく直接お話しその結果、「この人ならこの子を幸せにしてくれる」と信じて託すのです。
審査は厳しいほうですが、「条件よりも人柄」に重きを置いて選びたいという思いから、譲渡前の交流は慎重に、でも心からの信頼を持ってさせていただいています。
その交流を「かけひき」と表現した方もいましたが、そんな悲しい言葉ではなく人と人との心の交流です。

でも、その段階で嘘をつかれたり隠し事をされてはどうしようもありません。

リクとコタの里親Aさんはカップルでの申し込みでした。
先住猫が3匹いるのに子猫2匹と成猫1匹を希望されました。
彼女が体が弱く子供を産めないので、猫をわが子として可愛がりたいとの話でしたが、6匹は多すぎる事を伝えるとそれ以上増やさないと約束したので、子猫だけ譲渡することにしたそうです。

病気の人や同棲カップルを条件だけで差別したくない、質問時に口ごもるなど多少感じた違和感も「病気からくるもの?」と思おうとしたタナさんの善意が仇になりました。

リクコタが亡くなってタナさんは冷静になろうと努めているのが痛々しいほどでしたが、実際はやはり信じて裏切られた事と2匹の死のショックでかなり混乱していました。
私自身も2匹の死の報せの時に、タナさんに何を言ってあげたのか覚えていません。
一度電話を切った後であっ!と思い、相手に2匹の死は報せないようにとメールを入れました。
何故なら、こういうケースでよくありがちなんですが、相手が2匹の死を知れば、タナさんが猫を奪って死なせたと言うだろうと考えたからです。
それから、可哀想な子猫達の遺体の解剖をするほうが良いと話しました。
解剖についてはタナさんのほうが積極的で、「このままでは気持ちが整理できないから死因はなんとしても調べたい。」と。
また私はこの件で「嘘をついて里親になっても罪にならない」と思っている人達への警告の意味でも訴えて欲しいと思いましたが、それがどんなに辛く大変なことか想像できるので私からはタナさんに強く言えません。
でもこれもタナさんのほうが積極的に「法で裁けるならそうしたい」と言ってくれました。

Aさんははどう贔屓目に見ても適切な飼育ができているとは言えない状態。

リクとコタに関しては、お届け直後で怯えている2匹を、タナさんから「しばらくケージに入れておいて下さいね。」と言われていたにも関わらず、その夜から開放し、それからもうどこに隠れたか捜しもせずに放置していたと思われます。
そうでなければもう4ヶ月齡の健康だった子が車で1時間弱移動しただけで死ぬでしょうか。しかも2匹共・・・。

他から集めた子猫がいましたが、そちらは怖がりでないらしく姿が確認できたそうです。
その子達はいったいこれからどうなるのか・・・・。
かろうじて世話はできても、済的にも無理があるので不妊手術をするかどうかも疑問でした。
しなければ一年後には50匹になってしまいます。
けれどその猫達を私達が奪う権利はもちろんありません。
他、行政からの行使力もありません。

2匹の遺体を解剖すれば死因は特定できたと思います。
そうすれば相手の行為が「飼育放棄(ネグレクト)」という虐待として咎める事ができるはず。
ほかの子の所有権をこちらに渡させて、保護することができるかもと思いました。

けれどその夜わかったのですが、解剖が諸事情でできなかった事。
それと、混乱していたタナさんは相手にすぐ連絡し2匹の死を告げていました。
案の定、Aさんは子猫が死んだと聞かされて悲しむよりも一切の謝罪も悔恨の言葉もなく、

「うちでは元気だった。食欲も旺盛だった。」(←リクコタは天袋の隅に兄妹一緒に怯えて潜んでいたそうです。Aさんはどこにいるかもわからない状態で放置していたので元気も食欲も確かめているはずがありません。)、
「あなた方が取り返す時に乱暴にしたから死んだんじゃないの?」(←怯えていたので天袋から出す時かなり暴れたようです。)
と、こちらにだけ非があるように言いました。

そこまで言われては穏便に話を済ませたいと思っているタナさんも黙っておられず
「あなたのした事は詐欺ですよ?反省していただけないなら裁判に訴える事だってできるんですよ?」というような事を言ったそうです。

するとAさんはいっそう逆上して
「嘘はついたが詐欺ではない!どうして嘘をついたかって?嘘をつかないともらえないじゃないか!本当の事を言ったらくれたのか?」
「詐欺だって!?逆にそっちが恐喝罪だろう!裁判をやって裁くと里親を脅す団体!こんな愛護団体聞いた事無い!差別だ!人権侵害だ!虐待団体だ!」
とまさによくあるパターンの愛護批判です。

私が、間が悪い事に金土日と体調を崩し、タナさんが心配でしたが思うように体が動きませんでした。
電話は毎日ありましたが、かなり参っているようで心配でした。
「みんな一度はこういう経験をするんだよ。」とか「タナさんは悪くないよ。」とか「これを悲しい悔しいだけの事で済まさないで学んでいこう」とか、どんな言葉も慰めにはならないし虚しいだけだとわかっています。

タナさんは自分を責めていました。
私も、問い合わせの時点から色々アドバイスをしていたので責任を感じていました。
私がもっと口うるさく言っていれば・・・。

その後も、私が知らない間に何通かメールのやり取りをしていたので、今はお互い何を話しても話し合いになるはずがないし里親宅にいる猫達も心配だし、弁護士さんに相談するまでとにかくもう相手との交流はやめるようにしてもらいました。

リクとコタのためにも、タナさんが前に進んでいくためにも、里親Aさんがむやみに集めたであろう猫達を何とか救うために手を打っていました。
裁判も起こす覚悟で弁護士さんとの面接も決めていました。

ところが、弁護士に相談に行くという日に、Aさんから急に謝罪と、猫達の保護依頼がありました。
世話をできないのにたくさん集めたことを反省している、亡くなった子猫にも申し訳ないことをした、と。
けれど、嘘をついたことでどれだけの事が起きたのか、本当にわかって反省してくれているのかは疑問です。
私もAさんと話をしましたが、ただ漠然と「大変なことになった」。と感じているだけのようでした。
引き取った子達について「元気で良い子にしていますよ」と伝えると「ああ、良かった・・・。」と言ったのが救いです。

とにかくそれで急遽、Aさん宅から保護してきた6匹。
色々なボラさんに協力してもらい、3匹はタナ宅、3匹はなな猫宅へと落ち着きました。

この子達のうち3匹はAさんがセンターから引き出した子です。
残りの3匹の元親は、「一度くらい産ませよう♪」と安易に自家繁殖した人で、もう自分では飼えないのでと全権を私達に委任してきました。

この日記を書くに当たり、元里親のAさんには、Aさんからタナさんへ対して発した言動などを使わせてもらうことを承諾してもらっています。
これはAさんを糾弾するための日記ではないので。
ただ、これを読んで里親候補の方、里親探しをしている方、またAさん自身も、いろいろと真剣に考えて欲しいという思いです。


亡くなった小さな命に合掌・・・。


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※※都内で虐待・里親詐欺※※
里親探し中の方はくれぐれもお気をつけください。

◆特に読んで欲しい日記◆

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