なぜ里親さんにお金の負担をお願いするか

以前、匿名さんからこんな質問のメールをいただきました。

「保健所などから保護した犬猫について、センターで引き取る際にかかった以上の金額を里親に請求することはありますか?
例えば、血液検査・不妊去勢手術、検便、駆虫、ワクチンが済んだ状態でセンターからほぼ無料で引き取った犬猫について、引き取ってからの病気の有無に関わらず医療費として1頭あたり2~3万の金額を請求するような事です。 」



【お答え】
他の自治体のことはわかりませんが、東京都の愛護センターからボランティアに引き渡してもらえる猫は、簡単なノミ駆除、3種ワクチン、成猫であれば不妊・去勢手術、頼めば検便 程度の処置がされています。

エイズ・白血病の検査はされていません。

そうした処置費用はセンター持ちなので、ボランティアに請求されることはないので【完全無料】です。
ですが、当会の保護猫の里親になっていただく場合、里親さんへのお金のご負担は「保護猫にかかった医療費」という名目で一律でお願いしています。
これはセンター猫に限ってのことではなく、譲渡費用というのはあくまでも私達の活動へのご支援ということでいただいているので、
いただく金額=その猫にかかった費用の実費ということではないのです。


金額設定は、参加させていただいている里親会(譲渡会)の主催の方が一律で決めてくださっているので、里親会で決まった子についてはそれに沿って、里親会以外で決まった子についても、それに準じた額で頂いています。

旧・ねこひと会で保護した被災地の猫については、当初は行政や一般の善意の方から、かなりの額の被災猫用ご支援をいただいていましたが、だからと言って、被災猫の里親さんからお金をいただかない、という事はしませんでした。
(最初はいただかなかったりという事もありましたが、被災猫には、高額なご支援を上回る高額な保護費がかかったりで、当時のメンバーで色々話し合った末に、通常通りにご負担をお願いすることになりました。)

要するに、譲渡費用は活動へのご支援なので、センター出身であろうと相談者からの引き取りであろうと、被災猫であろうと飼い主放棄の猫であろうと、すぐに里親さんが決まった場合であろうと、里親さんへの費用負担はお願いしているということで、その費用は必ずしも実費ではないということです。



里親さんへお金の一部負担を一律でお願いする理由としては、

1.保護している間にどれくらいのお金がかかるかは、猫の状態や保護期間によって1匹1匹全然違うので、1匹ずつ個別設定するのは無理があるため

2.私達の活動は、お金持ちの趣味や道楽ではなく、行政の方針と動物愛護の精神に添った社会活動ですが、行政からの資金援助は一切なく、すべて個人の私財を使っての活動です。
そして私達は、一般の善意の方からのご支援により支えられているので、里親さんになる方に無料で保護猫を譲渡するのは、むしろ不誠実で非常識だと思っています。

3.費用のご負担をお願いすることで、里親希望の方に命ある動物の飼い主になるという自覚を持ってもらいたいため。また、里親さんが猫にお金をかけて大切にしてくれるかどうかの判断の一つにもなります。(実際に「1万円もかかるなら要らない」と辞退する人も時々います。)

4.日本では、動物のボランティア活動について、何もかも無償で提供するべきだと勘違いをしている人が多いので、
行政からの支援も何もなく、個人が私財を投じて不幸な猫を減らす努力をしているという事実を知ってもらいたいため。

などかな、と考えています。


ボランティアの活動について、まったく無知な方には、この説明だけでは分かかりにくいかもしれないので、
動物ボランティアがどんなふうにお金を使い、里親さんへどんな説明をして請求しているかなど、例を幾つか挙げてみます。

例えば、愛護センターで1回目のワクチンをしていても、子猫だとかなり幼齢でされている場合が多いので、その場合はノーカウント・・・ボランティアが追加で2回行い、計3回となりますが、里親さんに「ワクチンは3回しています」と説明はしても、3回分のワクチン代を請求することはありません。

例えば、保護後あっという間に里親さんが決まった子の場合は、医療費だけでなく食費もほとんどかかっていませんが、逆になかなか里親さんが決まらない子は、保護しているだけで食費が月に2~3千円かかることになります。
年を越せば、またその年の分のワクチンもしなくてはいけません。
当会の場合は、保護が長くなるとエイズ・白血病の検査の再検査をすることもありますし、ある程度歳のいった成猫では年に一度血液検査も行います。
けれど、それら全ての医療費のご負担を里親さんにお願いする事は、よほどの何か特例でない限りありません。

当会で3年ほど前、マリアさんが愛護センターから引き出した成猫は、重度の障害があったので高額な治療を施しましたが、残念ながら死んでしまいました。
(つまり、すべての保護猫に里親さんが見つかるわけではないので、里親さんが決まらなかった猫の場合は、当然里親さんからのお金は入りません。難病やエイズ・白血病キャリアで居残っている子達然りです。)

それに、ほとんどの保護子猫は、下痢や風邪や寄生虫などで、医療費はとてもかかっていますが、どんなに医療費がかかった子でも、その里親さんに「風邪の時の医療費をください」「下痢の時の治療費もください」とはとても言えません。(すごい金額になってしまう事もあります^^;)

医療費に関しては、当会ではかかりつけの先生が保護活動への理解があり、ボランティア価格でかなり安く診てもらえます。
しかし、すべてのボランティアがボランティア対応の獣医を利用できているとは限りません。
当会にしても、かかりつけの獣医が休診日の時などは、通常の料金を払って別の病院の診察を受ける場合もありますし、難病の場合は、専門の病院があると聞けば、遠くてもがんばって受診することもあります。
夜に急変があり、緊急病院にタクシーを飛ばして行くこともしばしばです。
が、そういう痛い出費があっても、里親さんへ請求することはありません。

また、医療費のみではなく他にもいろいろと出費があります。
当会でも、体の弱い子には特別食を与え、高額なサプリを与え、冬はすべての部屋の暖房、夏は冷房、除菌のための消毒もけっこうかかりますし、
被災地への往復高速代、ガソリン代、ひっきりなしにかかる相談TELなどの携帯代。譲渡会を主催している団体であれば、その会場費、宣伝費、駐車代。。。

これくらい例えを出せば、ボランティアの出費がいかに多いかわかっていただけるでしょうか?

ボランティアの活動を理解していただくことは、不幸な猫を減らすための啓蒙活動の一環でもある、と当会では考えています。

こうした活動を続けるにはお金が必要で、そのお金は、ご賛同いただける方、「活動はできないけれど何か協力をしたい」と思ってくださる方からいただく。
そして、そのお金を支えにして、また一生懸命実働に励む。

というのが動物ボランティアのあるべき姿勢だと当会は思っています。

とはいえ、ボランティアの活動内容もお金事情も、一般の方はまったく知りませんし、また、疑い深い人や愛護に悪意のある人達から、お金の面で誹謗中傷を受ける場合も多いのはたしかなので、里親さんからお金をいただく場合は、事前の説明が必須だと思います。

もちろん、活動の報告と収支報告もとても大事だと思います。

私は「抜け」も「落ち」も多く、収支や活動報告も遅れがちですが、
ありがたいことに、里親さん側からはいつもご理解いただき、今のところお金に関しての苦情もトラブルもありません。

私がこの活動を始めた頃は、「里親さんにお金の請求なんてしたら猫をもらってもらえない」と言って、泣く泣く自腹で活動している保護主が多かったのですが、最近は保護主の意識も里親さん側の意識もずいぶん変わってきたおかげなのだと思います。

意識を変えることが活動を支え、不幸な猫を1匹でも多く助けることが出来る。
そのために、里親さんにお金の負担をお願いするのは、必要だと思うのです。


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by yukimomoko | 2014-02-12 15:22 | ねこひと会について