ゆきももこの猫夢日記

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安楽死を勧められても (幸せになったあきちゃん)

2006年の過去日記を一部引用

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(※この記事は安楽死を全否定するものではありません。)

病気や事故などで行き倒れている野良を連れて病院に行ったら、
「この子の幸せのために楽にしてあげよう」と安楽死を勧められることがよくあるようです。

獣医でも色んな人がいますから、面倒な治療やお金を払ってもらえそうにない野良猫に安楽死を勧める傾向の獣医はたしかにいます。

難しい治療をして失敗した時の責任逃れとか、助かるかどうかわからないのに一生懸命働きたくないとか、そういう気持ちもあるのかもしれません。

それだけでなく、善意の気持ちから積極的治療のメリットデメリット(主に猫のではなく治療費を払う人への配慮)を考えて安楽死を勧める場合や、大きな病院だと決まりごとがあったりして獣医の意思のままにならない事もあると思います。

行き倒れの猫に出会っただけでも普通の人には大変な事なのに、それを病院に連れて行った時点で普通の人は十分パニクっていることでしょう。
まして知識がない人がそんな混乱した状況で獣医から安楽死を勧められれば、真に受け言われるままに安楽死を選んでしまいますよね。



人通りの多い場所で、たくさんの人の目の前で事故に遇った、あきちゃん、という子がいました。
時々日記に出てくる「ゼッコネ」という造語(絶叫する子猫の意味)の語源があきちゃんです。
元祖ゼッコネあきちゃんは、2006年の秋に相談され関わった子でした。

事故現場にはたくさんの人がいたのに、あきちゃんに駆け寄って保護したのは、通りかかった若いOLさんと中学生数名だけだったそうです。
駆け寄ったは良いがどうして良いかわからず、(どういう伝だったか忘れましたが)私に相談してきたのです。

怪我した子を保護しました、という相談メールに添付されていた保護時のあきちゃんは、目をキラキラさせて生命力に溢れていました。
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ところが、保護主達が連れて行った病院では、「足を3本切断する」と言われ、安楽死を勧められたのです。
おまけに、決心するまでの2~3日の入院費が、見積り50万円。

保護した人は混乱し、「あきちゃんの幸せのために」と早々の安楽死を決めかけました。

しかし私から見れば、「あきちゃんのために」だけでなく、入院費50万円というので引いてしまったのも明らかにあったと思います。

もちろん、私だって保護猫に50万かかると言われたらかなりショックを受けるし、それがボランティアでもなんでもない人が通りすがりの見知らぬ猫に50万と言われれば、むしろ引くのが当然でしょう。

でも、あきちゃんの力強い目の輝きを見させられた私は納得いきません。
この子は本当に死なねばならない子でしょうか?

私は、とにかくちょっと待って!とセカンドオピニオンを勧めました。
もちろん、口出ししたからには私が引き取る覚悟でした。
保護主だって本当は助けてあげたいのです。
戸惑いながらも私の話に心を動かしてくれて、違う病院を受診。(たしか、搬送ボラさんの協力でいわゆる「命のバトンリレー」をやったように思います。)

そしてセカンドオピニオンの病院での診断。。。あきちゃんの足は多少の変形は残るけど、切断なんか1本もしなくて良いとわかったのです。
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当時の患部レントゲン
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私は安楽死をやめさせた責任もあって、1本足になるならうちで引き取るしかないと覚悟していたのですが、多少の変形程度なら全然問題ないじゃないですか!!

最初は半泣きだった保護主さんも、苦しい迷いから開放され、積極的に里親探しをすることになりました。

あきちゃんはそのままボラに協力的な病院で2回の大手術を乗り越えました。
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こんな大きな金属を入れられ(焼き鳥みたい。。。(^o^;))
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病院でもとても可愛がられた愛くるしいあきちゃん。
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色々付けられてるけどへっちゃらよ♪の、あきちゃん
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怪我や大手術や不自由な入院を経験しても天真爛漫だったあきちゃん。
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そうして、奇跡的にあきちゃんと暮らしたいという里親希望さんが名乗り出て下さり、本当の家族が出来たあきちゃんは幸せな暮らしを手に入れることが出来ました。

新しい家族と猫団子になるあきちゃん。
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カメラを向けると「なあになあに?!」と寄ってくるのでなかなか写真が撮れない無邪気なあきちゃん。
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一番気難しい菊お姉ちゃまにもスリスリのあきちゃん。
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そして今日。。。あきちゃんの訃報が届きました。。。。
最後まで元気で幸せだったと思います。

もしあの時、獣医の勧めるままに安楽死をさせていたら、あきちゃんの幸せな13年間はありませんでした。

だから、その子の命を守れるのは、その子を助けたいと思った人だけなのです。
生かすも殺すも人間次第なのです。

もし今後、あなたが獣医から安楽死を勧められたら(野良だろうが自分の飼い猫だろうが)
獣医の言葉に惑わされることなく、本当に安楽死の対象になるのかどうか、よく考えて欲しいのです。

今そこにある命を絶つことが本当にその子の幸せなのか?
犬や猫が自ら「苦しいから、辛いから死にたい」と思うのか?
動物は人間と違って自分の死を望んだりしません。
可哀想に、どんなに苦しくても、生きるだけ生きたいという努力だけなのです。

あなたが安楽死を選ぶ時、それは苦しむ姿を見たくないとか、治療をするのにどれくらいお金がかかるのか不安だとか、
障害の残った子を自分が面倒見れるのかという不安とか、
そういう気持ちからの逃げになってはいないか?

言うまでもなく、もがき苦しみ死を待つだけの状態なのに心臓がやけに強かったり、癌など壮絶な痛みでのたうち回ったり、そんな風に安楽死をしてあげないほうが可哀想な場合もあります。

私が今言いたいのは、本当に安楽死の対象なのかどうかの判断は難しいということ。
そして、それは動物の意思ではなく、自分の意思で決めなければならないという事。
自分本位で安楽死をしてしまわなければいけない時。。。諸事情でそうせざるを得ない事もあるでしょう。。。そんな時はそれを綺麗な言葉でごまかさないで欲しいという事なんです。

私も看取りを何度も経験し、この問題に直面する事もありました。
何匹経験しても、治療もどこまでやるのか、最後の最後まで悩んでしまいます。

でも何をしても悔いが残るのが本当だと思います。
愛しい子のために悩んで苦しむのが、私達にできる唯一の事だと思います。

なんだか久しぶりなのにえらそーな日記ですみません。

読んで下さっている方には、もしかしたら獣医さんや愛猫を安楽死させた辛い経験がある人もいると思いますが、嫌な思いをしないで読んでくださいますように。

あきちゃんの訃報が届いた今日、あきちゃんの思い出とともに考えていただきたくて書きました。




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by yukimomoko | 2019-04-08 18:53 | 虹の橋に。。。